既にお気づきの方も多いと思うが、電子データーの欠点は紙のデータのように、誰もが直に次々見るという事ができない。
逆に紙媒体の優れた点は何も介さないで直接誰もが見える事。電子データと違って一瞬で失う事がほとんどない事だ。
例えば写真もアルバムに整理され そのアルバムを作った本人が亡くなっても、昔なら手元にそのまま残っていた。
それがアルバムでなくても箱にバラでも残っていた。
今は下手をするとアルバム作成者ですら置き場を忘れ「日の目を見ない」写真がゴロゴロしているはずだ。
しかもその写真は記憶媒体が壊れればもちろんの事 壊れなくても接続デバイスが壊れると一緒に捨てられたりする。
ここ数年「年賀状卒業」の連絡をたくさん頂くようになった。「人と人とのつながりが希薄になった」と言ってしまえば
それまでだし、それがどうした?と言われればそれもまた それまでなのだが・・・。 大切なのはE-Mailは年賀状の役割は果たさないという事。
年賀状には多くの場合 家電話や住所が記載されている。それが実家なら最強だ。
数年前高校時代の友人に50‐60年ぶりに電話したことがあった。実家に電話すればとりあえずつながる。運よくそのまま実家を引き継いでいた。
実家が引っ越していなければ 手紙も届く。
此度の過去からの手紙も実家住所が現存するからこそ なせる業なのだ。
最近は「個人情報保護」とやらで名簿もろくに作らない学校が多いと聞く。
卒業生の交流などいったん「縁」を失ったら二度と戻れない。どうするつもりなのだろう。
E-mailも在籍期間でも変わる可能性が高い。何よりも基本的にメールアカウントを一瞬たりとも失えば過去のすべてのデータを失う。
携帯電話番号もMobile Number Portability があっても、実家の固定電話の安定性にはかなわない。
例えば全人生が20年の若者にとっては『今』こそが、人生の全てであり、これまでの学校でのつながりなど大した興味がない。
だから余程の仲間内以外は電話番号もメールも ましてや住所の交換をしない。
此度の過去からの手紙で言えば出す側の人の立場が若者だ。だから、将来連絡を取りたくなるなどと夢にも思っていない。
将来の為にも、同級生などの多くの情報を集めておくことだ。年賀状などのやり取りをして、
それに基づいた名簿を毎年更新 時折プリントアウトして置くことだ。そうすれば疎遠になっている人の分もどこかにデータが残る。
10年後 20年後 そのデータはきっと役に立つ。
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